SUNROSER AKASAKA

散歩の流儀

道のゆくえ

“ どこから来て、どこまで行くのか? ”

道には、起点と終点がある。

東海道なら日本橋から京都の三条大橋まで、中山道は同じく日本橋から草津宿まで。

しかし日々歩く都心の道で、その起点や終点を私たちは意識しているだろうか?

鈴木理策の写真にはしばしば道が現れる。

獣道のような道もあれば、人の足が踏み固めた木立の中の小径、そして街道のような道。

それらの道に共通するものは、目印になるようなポイントがないこと、

そしてひたすら“ 前” を見つめるまっすぐな視線だ。

“ 前” という方向性だけを指し示すシンプルなこれらの写真には、

今ここに、立っている人間の姿を感じる。

よそ見をせず、前をしっかり見つめることをルールにしたこの散歩人。

この写真には散歩人の思考のありようが写っているようだ。

散歩とはA地点からB地点へ向かう移動が目的ではない。

散歩とは“ 考える時間”、その途中で体験する非常に個人的な経験なのだろう。


太田菜穂子 写真キュレーター

 

鈴木理策(すずき りさく)
写真家 / 東京芸術大学美術学部先端芸術表現科准教授
1963年和歌山県新宮市生まれ。コンテンポラリーアーティスト、建築家との親交が深い写真家。
撮影時のふるまい、被写体との距離感、作家としての作品への介入度、どれをとってもオリジナルなマナーを持つ。
2000 年第二五回木村伊兵衛写真賞。2006年第22回東川賞国内作家賞、和歌山県文化奨励賞。
2008年日本写真協会賞年度賞。著書に、写真集『熊野、雪、桜』『YUKI・SAKURA』他


太田菜穂子(おおた なほこ)
キュレーター/ GALLERY 21 ギャラリスト/World Photographic Academy メンバー
フランスとのネットワークを基盤とし、GALLERY 21 (1998年スタート) で現在までに70近くの写真展を企画。
これと並行し、企業や国内外のブランドとのコラボレーションによる文化、アート、環境関連プロジェクトを
トータルにプロデュース。

www.gallery21-tokyo.com

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