SUNROSER AKASAKA

大人の流儀

道のゆくえ

役になることは?
私とは全く別の他人を自分の中に迎え入れ、それになる。だから最初はいつも、居心地の悪さ、違和感はつきものです。ところがお稽古をしている内に、その“どうにもならない他人”がするっと自分に入れ替わる瞬間が来るんです。気がつくと、役としていただいた女性(ひと)が私自身の感情を支配し、感じ、反応し、私を動かしているんです。


その瞬間を迎えるためのコツは?
ひたすらお稽古に打ち込むだけ。それしかないんです。本をいただき、お稽古をする。でもひとりで出来ることは台詞を覚えておくことだけ。舞台は皆でつくるもの、演出家がいて、共演者がいて、裏方さんがいて、そしてなによりもお客様が目の前にいらっしゃる。その全部の呼吸が合うようにしたいの。舞台のために私ひとりで準備できることはささやかなこと、だから“今、舞台で起こっていること”、そのすべてをその瞬時にさらりと受け入れ、それに素直に反応できるようにしておくだけです。


舞台に立つ事が怖いと思われたことは?
怖くないと言ったら嘘になる。舞台は鏡のようなもの、実際にそこに立ってみるまで、どんな反応が来るのか全く見えない。そこに立ってみて、その瞬間全てが分かる。だからこそ、ひたすらお稽古をしておきたいものね。

水谷八重子
本名 水谷好恵
昭和14年 父、14代守田勘弥、母、初代水谷八重子の間の長女として紀尾井町に生まれる。
昭和30年歌舞伎座の新派公演にて初舞台を踏んで以来、水谷良重の名で舞台、映画、テレビなど幅広く出演し、歌手としても活躍する。平成7年に新派の名跡、水谷八重子を襲名。現在新派を支える女優として活躍する傍ら、朗読にも力を入れ、瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」や、樋口一葉の「大つごもり」を毎年末に朗読劇として上演している。さらに「恋女房」「小五さま」など、演出も手がける。

主な受賞歴
菊田一夫演劇賞/松尾芸能賞大賞/芸術選奨文部大臣賞/芸術祭賞/都民文化栄誉章/紫綬褒章

2010年春のスケジュールから
新橋演舞場『三婆』:3月5日(金)〜25日(木)まで
六本木 スイートベイジル ジャズライブ:4月19日(月)

 

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