SUNROSER AKASAKA

紀尾井町マイスターズ

成田舞氏

古代エジプトではハーブの一種であるヘンナ(ヘナ/ ミソハギ科の植物/ 和名:指甲花/ツマクレナイノキ)の花汁を使って爪を染める風習があり、王と王妃には濃い赤が、その他の者には薄い色しか許されないなど、その色で社会的階級が競われていた。また、ローマやエジプトの武将たちが出陣に際し、正装を整える行為として服装のみならず髪型を整え、爪を染めていたことは広く知られている。紀元前2000 年頃と推定されるバビロニアの王族の墓からは黄金の副葬品と共に"爪の手入れをする道具"が発掘されている。爪に意匠を施すことは、古代より身分を表す重要な行為であり、たしなみであったことが窺い知れる。さて、おとなりの中国では爪を染めるのではなくペイントするネイルケアが存在した。かの楊貴妃が爪紅(つまべに)と呼ばれる蜜蝋に卵白、ゼラチン、アラビアゴムなどに染料を混ぜ、爪にペイントしていたことは有名である。一方、ヨーロッパにおけるネイルケアは、もっぱら爪を磨くこと (バッフィング)が中心だった。貴婦人たちはマナーのひとつとして、ハマム(hammam)いうクリームで指先を手入れしていた。そのヨーロッパでネイルエナメルが流行したのは20 世紀に入ってから、1920 年代以降のファッションの変化が女性たちの間で赤いマニキュアの大流行を引き起す。このネイルポリッシュの流行が日本にも伝わり、欧米からラッカー式のネイルが輸入されることになる。しかし日本では、1980 年代に入ってもネイルを塗るだけで、マニキュア本来の意味(語源は、ラテン語で"手"を意味する「manus(マヌス)」と"手入れ"の「cura(キュア)」)であるネイルケアそのものの重要性はなかなか浸透せず、ネイルアートと呼べるレベルの技術も全く知られていなかった。

成田舞、日本におけるネイルケアを牽引してきたアモ園【(株)ワコールアートセンター運営】の姉妹店であるネイルサロン ネイラ サンローゼ赤坂店の店長。成田は爪の健康を最優先したネイルケア技術のエキスパートであり、繊細なネイルアートを仕上げるネイルアーティストでもある。十数項にも上る技術習得プログラムを通して成田が学んだのは、"エレガンスを表現する指先"の創造。それはまさに、ヨーロッパの貴婦人たちの美しさに通じる"品格を表すネイルケア"の実現だ。

若い時だからこそ、心底打ち込める技術を習得したいと考え、この仕事を選びました。ネイルサロン ネイラは、㈱ワコールアートセンターが運営しており、「女性に美しくなって貰うこと」や、「女性が美しくなるお手伝いをすること」を目的とした美容事業に属します。この考え方をベースにサロンで提供させていただくサービスの基本は、爪を健康に保つという行為を通してご自身の体調を正しく把握していただき、日常生活の中で酷使していらっしゃる指先を労り、心身ともにより美しくしてさしあげることと考えています。
ネイルサロンというと、華やかなネイルアートに注目が集まりがちですが、私どものサロンにお越しいただいているお客様は、爪のお手入れ、つまりネイルケアを大切にされていらっしゃる方が多いのも特徴です。チャーミングなネイルアートを楽しむためにも、まずは土台となる爪のお手入れありき、とお考えのようです。ですから私たちスタッフは、まず指先の美しさにおいて、お客様ひとりひとりの異なる個性を細やかに表現する工夫をしています。ネイルケアの手順は簡単に分けると五段階。かたちを整えるファイリング、甘皮処理のキューティクルケア、そしてヨーロッパの貴婦人たちもしていたバッフィングという磨く作業、さらにマッサージ、そして仕上げは爪表面へのカラーコーティング。これだけで、個性と魅力を十分に引き出す指先になると考えています。ただ、私たちの仕事はひとりひとりのお客様にその価値を見出していただき、支持されて初めて成立するものです。ですから、サロンではなによりもリラックスしていただき、お望みのサービスを伺った上で、それを的確に提供したいと考えています。個人的には、お手入れされた指先に一色のカラーを施したものに惹かれますが、二色のカラーを塗り分けたフレンチは、ファッションへの相性もいいのでおすすめです。
指先のお手入れをさせていただく事で、女性の皆様が自信をもってさまざまなシーンに臨めることが私たちの理想。お悩みがあるお客様こそ、サロンにお越しいただければと思います。


ペイント用の筆は日本画の面相のように細く、繊細。(上)
おすすめのフレンチスタイルのネイルアート(下)


ペイント用の筆とおすすめのフレンチスタイルネイルアート

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