
宝石のデザインとは、ゴールイメージに向かって、それぞれのディティールのハーモニーやバランスを調整しながら進める作業です。台座となるベースのフォルム、柱となる爪のアール、そして光の屋根となる石のセッティング、僕は建築的な構造を持つ、緻密なデザインを心がけています。それから、身につけてくださる方のイメージをはっきり持つようにしています。エレガントな女性、チャーミングな女性、意志を持って人生を切り拓く女性、ご自分の生き方を大切にされるそれぞれの女性たちにふさわしい力を与えることができるジュエリーをお届けできたらと願っています。男性からのご注文の際はさらに注意深く、イメージやコンセプトを伺うようにしています。実際に身につけられるご本人様にお目にかかるより、贈り手である男性が説明される女性のイメージを正確に理解することがより重要であると感じるからです。これは僕の個人的な見解ですが、男性の心の中には永遠の女神、“ミューズ”が存在し、宝石を贈る特別な女性に、ジュエリーと共に“ミューズ”が持っている魅力や力をも与えたいと願っているのではないか…と考えています。
独特の手触り、色、輝き、宝石は古代より人間を常に魅了してきた。そしてその宝石の王者と言えば、やはりダイヤモンドだろう。自然界の様々な偶然が重なることで誕生するダイヤモンドの年齢は、古いものでは17 億年前と推定され、最も新しいものでも7000 万年前と言うから“永遠の輝き”というダイヤモンドへの形容詞には圧倒的な説得力がある。
ダイヤモンドのクオリティーを評価する基準“4 つのC”については、広く一般にも知られている。カラット(Carat)、カラー(Color)、輝き(Clarity)、カット(Cut)、しかし、この4つの基準では足りないと考えた鑑定士がいた。「宝石としてのクオリティーには、4 つのC にふさわしいデザイン(+ D)が伴っていなければならない」と彼は考えたのだ。
佐藤道也、紀尾井町にしかない宝石店、ジュエリー シュガーのオーナー社長、そして宝石デザイナーだ。店内は隅々にいたるまで佐藤氏の美意識が行き届き、いつも静かな百合の香りが漂っている。宝石たちがゆったりと並べられたショーケースを眺めるひとときは、ジュエリーが持つ不思議な力を信じた昔の人々へ想いを馳せる、まさに“人生の特別な時間”である。
2002年、奥様が入院された時、
一日も早い回復と健康を願って贈られたリング。
